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ストーカー考察

 Uで知り合った子がたちの悪いストーカーに家を特定されて帰れないというから、新しい家がみつかるまで一緒に住むことになった。以下、この子を同居人としよう。それからおよそ一カ月。初日にお互い酔った勢いでセックスして以降、まったく体の交わりがない。「生理前はおっぱいが痛む」「風邪気味で頭が痛い」「眠たいしそんな気分じゃない」などなど、いちゃつこうとすると拒まれ続け、ベッドの上で俺は無気力になってしまった。拒まれるのが怖くて手が出せない。ブスならどうでもいいけどタイプの子なのでつらく、自宅のトイレでオナニーをして気持ちを安らげている。なかなかみじめだ。

 性格が良く、ほっとけなさが半端ない同居人に俺はオンリーワン気味で、セックスレスなのが悲しく、どうやって気をひこうかとずっと考えていた。当初、かわいそうだしやりすぎなぐらいにかまってあげていて、むしろもう媚びてるんじゃないかみたいな状態だったので、しばらくしてちょっと引いてみた。やることは決まっている。ナンパだ。久しぶりに街に出て、あー、あの子抱けるわ。この子も抱けるわあと考えつつ声掛けをしていると、だんだん同居人の価値が薄まって、もう別にどうでもいいような気がして、しかし、いざ家に帰っていろいろ話しているとまだオンリーワン治ってないわと気付き、また街に出て。そんなこんなをくり返しているうち、ほぼ完治した。

 ストーカーはオンリーワン症候群をこじらせた末のモンスターだ。他に選択肢があればひとりの子に執着なんかしなくていい。好きな子にキモいやつ扱いされ、挙げ句の果てに逮捕されて人生棒にふるなんて最悪だ。それだったら他に好きな子をみつければいいのに。

 特定の誰かに執着しても相手から嫌われない場合もある。ラブラブなカップルなんかそうだろう。相思相愛だ。で、いつか片方の気持ちが離れて、もう一方が納得できればいいけど、あきらめきれないで自分勝手に好意を寄せ続けるとストーカーに化ける。知り合いの警察官によると、ストーカー被害の大半はこういうケースだ。

 同居人の場合は珍しいケースで、関係の浅い人からストーキングされることが多いらしい。これまでも毎朝電車が一緒で顔だけ知ってるおっさんとか、バイト先のコンビニの常連のおっさんなんかがストーカーになったそうで、今回のストーカーの正体が判明したとき「もう誰も信じられない」と泣いていた。近所のカフェで顔見知りになったおっさんらしい。曰く、常に笑顔で愛想良くを信条に生きているから誰とでも仲良くなれるけど、勘違いした男を引き寄せてしまうのではないかと分析していた。たしかにこの子よりもかわいい、きれいな子はいるけど、みんながみんな通り魔的なストーカーに遭っているわけではないし、本人の言動に一部の男を引き寄せる何かがあるんだろう。

 ミナミを歩く強めのギャルみたいにツンケンしていればストーカーにエンカウントする率は下がるのかもしれないけど、どうなんだろう。しょうもない勘違いバカのために生き方を変えないといけないなんて俺なら絶対にいやだな。なんでそんなバカに合わせないといけないんだよ。死ねよ。

 とりとめもなく書き散らしてしまった。これからだんだん暖かくなって街に出やすくなる。バカなストーカーを尻目に女を取っかえ引っかえする春を送ろう。